最愛~あなただけが~
 次の瞬間、鷹野さんの大きな手が私の手首を掴んで、
 そのくちびるは、私のくちびるを塞いだ。


「・・・ンんっ。鷹野さ・・・誰かに見られたら・・・!」


 離れようとした私を引き寄せて、鷹野さんは再び私にくちびるを押し当てる。


「・・・・・・・・」


 くちびるを重ね合ったまま、少しだけ長い時間が流れた。


 1分くらい・・・?
 ううん。もっと?


 くちびるが離れてそっと目を開けると、鷹野さんの真摯な眼差しがそこにあった。


「好きだよ。本気だ。」

「ダメでしょ・・・
 奥さんがいるのに。」

「じゃあ、なんで今のキスは逃げなかった?」

「それは・・・っ。」


 言いかけた私に、鷹野さんはまたくちびるを重ねた。
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