最愛~あなただけが~
「・・・お願いです。
 困らせないでください。」

 泣きそうになるのを必死で堪えながら、声を絞り出した。



 これ以上何か言葉にしたら、泣いてしまう。



 少し躊躇しながら、
 鷹野さんの長い指が、そっと撫でるように私の頬に触れる。


 優しく、私の頬を撫でる指。


「・・・ごめん。」

 鷹野さんの声は、小さくて悲痛な声だった。







 どうして、誰にも許してもらえない感情を神様は人間に与えたの?
 そんなもの、欲しくなかった。

 始まる前に終わらせなきゃいけない恋だなんて。
 神様は、どれだけイジワルなんだ。

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