最愛～あなただけが～

「おはよう！」

　会社の駐車場に着いた私が車から降りると、鷹野さんもちょうど車から降りたところだった。
　鷹野さんの車は、白くて大きなワンボックスカー。


（典型的なファミリーカー･･･）


　いかにも『家庭があります』って感じじゃない？


　昨日はどの車が鷹野さんの車かわからなかったから、既婚者だという事実を知ってからこういうファミリーカーに乗っていることを知ると、ただそれだけのことでチクリと胸が痛む。


「･･･あ、ゴメンね。タバコ。」

　今日もまたさり気なく車道側に立ってくれた鷹野さんは、くわえていたタバコを、ジャケットのポケットから慌てて取り出した携帯灰皿に押し潰した。


　マナーもちゃんとしてるひとなんだ･･･



　レベルアップ。