最愛~あなただけが~
「ミーティングを始めます。」

 鷹野さんの声が事務所に響く。

 毎日、8時50分からは朝のミーティング。
 上司達のスケジュールの確認や、各部署の業務確認が行われる。


 鷹野さんの隣には新しく入社した女性。
 昨日は私もそこに立った。


「昨日に引き続き、経理部に新しく人が入りました。
 主に、店舗の集金や銀行業務を行ってもらいます。
 木根さん、挨拶をお願いします。」

 鷹野さんに促され、その女性は一歩前に出た。

「木根晶子です。
 宜しくお願いします。」

 木根さんがそう言って頭を下げると、事務所に響く拍手の音。


 ミーティングが終わると、木根さんは私の隣の席に着いた。

「木根です。
 宜しくお願いします。」

「都築です。
 こちらこそ、宜しくお願いします。」

 昨日の自分を見ているような感じがする。
< 51 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop