最愛~あなただけが~
従業員用の駐車場に着いて、私は自分の車からCDケースを持ち出した。

 私の趣味が鷹野さんに合うといいけど・・・


「乗って?」

 鷹野さんに助手席側のドアを開けられ、私は思わず反射的に鷹野さんを見る。

「どうした?」

「・・・あのっ。
 私が助手席に座っていいんですか?」

「え?運転するつもりだった?」

 聞き返した鷹野さんに、私は首を振った。

「いえ。そういうことではなくて。
 その・・・助手席って、奥様の席なんじゃ・・・」

 私がそう言うと、鷹野さんの表情がちょっとだけ変わった。
 それはほんの2秒くらいですぐ優しい表情に戻ったけれど。


「いいよ。全然気にすることない。」

 どうぞ。と、鷹野さんに促され、私は鷹野さんの車の助手席に座った。
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