最愛~あなただけが~
 ちょっとどや顔で私を見る鷹野さん。

「えぇーっ!?すごいです!不敗神話!?」

「まぁね。」

「・・・まさか、幽霊部員だったから試合に出たこともなければ負けたこともない・・・なんてオチじゃないですよね?」

 私の質問で、鷹野さんがハンドルに額をぶつけた拍子にクラクションが鳴った。

「お前・・・っ!なんちゅうことを!!
 赤信号だったから良かったもののっ。
 同じ空間にいる以上、運命共同体なんだからな!
 ・・・まぁ、面白いから許すけど。」

 鷹野さんの大きな手が伸びてきて、私の頭をワシャワシャ撫でた。



 鷹野さんにしてみれば、お兄ちゃんが妹の頭を撫でるような、そんなふうに特別な意味などない行為だったのかもしれない。








 でも私は、・・・感じた。
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