最愛~あなただけが~
 クリスマスを前に、誰もが心を躍らせる季節。
 カレンダーは、12月になった。




 入社してあっという間に1ヶ月が経ち、私は、今までの人生において最も多忙だと思われる毎日を送っていた。


 先月末、経理の2名が退職して、新人の私と私の翌日に入社した木根さんが残された。

 慣れない上、膨大な仕事量をこなさなければならなくて、昼休みも削り土曜日も休日返上で仕事をする日々。
 ほんの半月そこらで仕事のすべてを引き継げるわけもなく、わからないことだらけだ。


「テキトーに手ぇ抜かないと自分が疲れるばっかりだろ?」


 佳は、疲れている私にそう言うけど、手を抜けるような状況じゃない。
 手を抜けば全部自分にシワ寄せがくる。
 経理の仕事は、毎日学校の時間割のように決められた時間でやらなきゃならないからだ。


 特に月曜日は、
 金曜日、土曜日、日曜日の伝票が溜まっているから忙しさも半端ない。

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