最愛～あなただけが～

　私が入社した翌日に入社した木根さんとは、不思議と昔からの友人のように意気投合した。

その木根さんは、私より4つ年上の29歳。
　バツイチで小学生1年生の娘さんがいる。

　木根さんは各店舗の売上金の集金と、それらを銀行に入金する業務、各店舗から依頼された両替金の準備と、それを社内便に預ける準備。

　あとは買掛金の管理が主で、朝礼が終わると集金に出掛けて行って、帰って来て金額を確認したらまたすぐに銀行へと出掛けて行くので、大体15時過ぎまで事務所にはいないことが多い。



「ねぇねぇ、都築チャン都築チャン。」

　銀行から戻った木根さんが、コートも脱がずに私の席へ駆け寄って来た。