最愛~あなただけが~
 18時を回り、みんな退社していって私と鷹野さんが2人、広い事務所に残った。
 下ろされたブラインドの隙間から見える外は、もう暗い。


 カチャカチャと響くキーボードを打つ音。


 ちらり。と、斜め前に座っている鷹野さんを見た。



 真剣な表情にドキドキしちゃうよ・・・



「何?」

 視線に気付いたのか、鷹野さんが不意に私の方を向いた。


 えーと。


「あの・・・コーヒー、飲まれません?
 なんだか冷えてきたみたいだし。」

 咄嗟にそう答えて席を立つ。

「うん。もらおうかな。」

「ミルク無しの、お砂糖スプーン一杯でいいんですよね?」


 鷹野さんは、私の言葉に、うん。と短く答えて微笑う。
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