キミだけ。
はじまる前の夜

  夜。
 
…カチッ…チっ…カ

時計の音が暗闇に響く。

 …ん…

ここは私の部屋。 

私はベッドの上で目が覚めた。

目をこすりながら周りを見渡すとまだ真っ暗。

時間が気になってふと時計を見るとまだ真夜中の12時。

道理で暗いはず。

夜だからけっこう見にくかったけど、よかった。なんとか読める。

明かりをつけたくなかった私は安心した。

すると…

 『ふぁぁぁ―――』

大きなあくびが。

 …けっこう大きかった。///

赤くなっているだろう顔に思わず手を当てる。

突然起きたからと言って、眠い時間の眠さには勝てない…。

 まぁ、部屋に響かないでよかった…

無理やり安心して、また寝ようと布団を被る。

  ふわぁ~ 

ちいさくあくびをして眠りの落ちる直前、

「あーーー!」


いきなり私の耳に聞きなれたものが聞こえてきた。

「~ーーーーーーーー!」

なんかの叫び声。
 
 …っていうか…うるさい。近所(?)迷惑。

軽く怒りたくなった。

 ふうぅ

 ある程度冷静になってみる。

 …さっきの声、お父さんだよね?お兄ちゃん達はまだだし…

お父さんとお兄ちゃん達は声がよく似ている。

親子だからなのかな?と思う。

気を付けてるけど、やっぱり間違えちゃう。

 けど、今はこの家に二人はいない。 

 ――いつもおとなしく冷静なお父さん。

お父さんが叫ぶなんてあまりない。

…というか2.3回聞いたことあるかどうかもわからない。 

そんなお父さんが叫ぶなんて…ただ事じゃない気がする。

 
 ……眠いけど…すんごい眠いけど………―――――――

    …あ――――っ、もう!気になる!

いそいですぐ横の壁にくっつく。

耳を壁にあてて、盗み聞きのよーい…OK!

 …こそーりと壁に近づいていく。(そんな遠くないけどね)

ばれないように慎重に。
 
 





 





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