キミだけ。
~優羽~
‐‐―ピ、ピピっピー―――カチッ。
朝。
私はいつも道理、音のなり続ける目覚まし時計を止めてから部屋の電気をつける。
『相変わらずこの時計うるさいなぁ、まぁ、目が覚めるからいいけど。』
この時計は今時珍しいくらい音がうるさく、
なんでこんなのを買ったんだっけ?
なんでか思い出せない。
どうしてだろう―と思うこともあるけど、
『まぁいいか。』と考えないことにしている。メンドイし。
『ふぁぁー』 あくびが出てしまった。
時計を見ると時計の針は7:50分をさしている。
普通なら完全に学校は遅刻。
…―って、別にサボりじゃないから!
私、美神 優羽(ミカミ ユウハ)は、一週間前にこの家に引っ越してきた。
今は5月。
こんな中途半端な時期に引っ越した理由はお父さん曰く
「優羽が16歳になるから。」
―つまり、私の16歳の誕生日が近いから。…らしい。
これまでの15年間の誕生日には、こんなことはなかった。