キミだけ。

~優羽~


 ‐‐―ピ、ピピっピー―――カチッ。

 朝。

私はいつも道理、音のなり続ける目覚まし時計を止めてから部屋の電気をつける。

『相変わらずこの時計うるさいなぁ、まぁ、目が覚めるからいいけど。』


この時計は今時珍しいくらい音がうるさく、

なんでこんなのを買ったんだっけ?

なんでか思い出せない。

どうしてだろう―と思うこともあるけど、

『まぁいいか。』と考えないことにしている。メンドイし。

『ふぁぁー』 あくびが出てしまった。


時計を見ると時計の針は7:50分をさしている。


普通なら完全に学校は遅刻。 


      …―って、別にサボりじゃないから!

 
 私、美神 優羽(ミカミ ユウハ)は、一週間前にこの家に引っ越してきた。

  今は5月。 

 
こんな中途半端な時期に引っ越した理由はお父さん曰く


  「優羽が16歳になるから。」

 
  ―つまり、私の16歳の誕生日が近いから。…らしい。

   
 これまでの15年間の誕生日には、こんなことはなかった。

 
 




< 8 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop