片想連鎖 ~伝えたい心~
プロローグ
高校2年 - 夏 -
座っているだけなのに、汗が滲む8月午後。
部活を終えてバスを待つ。
その間、二人の友達と”恋バナ”をしていたんだ。
「ねー。彼氏とかとの気持ちの比率って、どんなんがいいと思う?」
突然そんな事を話し出したのは、
【中村絵里】
一重なのに、パッチリとしたタレ目。
ナチュラルな茶髪を肩まで伸ばしていて、
その髪の毛先をユルく巻いている。
肌の色は透き通るかの様に白い。
絵里とは高校に入ってから知り合って、同じバスケ部員。
裏表が無いせいか、毒舌で豪快な性格も許せてしまう。
親友というよりは、悪友に近いのかもしれない。
「え?比率って、二人の気持ちを”10”に例えるとか?」
絵里の唐突な質問にも、
冷静に受け答えする彼女は、
【山口美樹】
長いまつ毛。
そして、クリクリとした二重の目。
一度も染めていない髪は、天使の輪がクッキリな黒髪のショートカットだ。
美樹も、同じバスケ部。
先週、彼氏と海に行ったとかで、今はほんのり焼けた肌色をしている。
美樹は中学の頃からの付き合いで、私を良く知る大事な親友だ。
おっとりしていて、天然?と思いきや、冷静沈着のしっかり者だ。
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