片想連鎖 ~伝えたい心~
私は自室に入って、はぁ…、と溜め息をつきながら、戸を背にしてズルズルとその場に座りこんだ。
頭の中にはカイの事でいっぱいだった…。
カイはそんな素振りを見せていなかったから、今まで友達として接していたけど、カイは違かったんだ…。
私が鈍感過ぎて気付かなかっただけなの…?
知らず知らずにカイを傷付けてたのかな…?
話す猶予も与えずに走り去った私を、
カイは、どう思ったんだろう…?
明後日の始業式…私、どうすれば…
そこまで考えて、私は膝を抱え込んでから頭を膝に埋めた。
「カイの前に立てないよ…。ましてや、笑顔だなんて…。どうすれば、正解?…カイ。」
カイを失いたくない…
でも、私はカイの気持ちには、
答えられないんだ…
恋愛初心者の私が考えたところで、答えなんか出せるはずもない。
そもそも、正解なんてないのかもしれない。
「ナオにした事も、間違ってたのかな…。」
私は、カイとのこれからの事を考えながらも、ナオとの事を想った…
薄情者だと自覚しながら…