片想連鎖 ~伝えたい心~



「…なーんて事は、あたしは思ってないけどねー?」


「…は?」


絵里は満足そうな笑顔をしながら、
『明奈は感情を逆撫でた方が本音が出る。っていうのを最近気付いた。』
と言ったんだ。

私は呆気にとられて、口をパクパクさせる事しか出来なかったけど、何だか気が抜けてしまってその場にヘナヘナと座り込んでしまった。


「いっ、…言わされた…。」


「ま、いいじゃん?言いたいこと言って、スッキリしたんじゃない?恋愛なんて臆病になって当たり前なんだし。」


絵里の執拗な誘導尋問が頻繁だったら、げんなりしてしまうかもしれないけど、確かに気持ちは少し楽になっていた。

美樹とは違うところで、絵里のそのストレートな性分に私は救われたと思ったんだ。


「あのさぁ?ついでと言っちゃなんだけど、さっきの手紙、もう一度見せてくんない?」


『確認したい事があるから。』
と言って、私の方に身を乗り出して来た。

何を確認したいのか分からなかったけど、もう既に読まれたし…と、私は絵里にクリアファイルを手渡した…。


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