片想連鎖 ~伝えたい心~

手紙を読み終えただろう絵里が、ウンウンと頷きながら…
『やっぱりね…。』
と呟いた。

私が首を傾げたのを見た絵里が、話し出した。


「ナオは、明奈の事を良く分かってる。それがあたしにとっても嬉しいんだ。まぁ…手紙の途中からは、読んでるこっちまで照れるけど。」


と言って、絵里は笑った。その後に絵里が、
『あたしは、ナオの事をこの手紙からしか人柄を推測出来ないけど、明奈がまた告白しても、付き合う付き合わないは抜きにして、あからさまな拒絶はしないんじゃないかな?』
と言ったんだ。


「いや…、でも…。」


「はーい、そこ!”でも”じゃないよ。いつまでウジウジしてんの?ハッキリさせた方がいいよ?踏ん切りがついたら、まずコクる!Ok?」


「うっ…うん…。頑張ってみる。」


また、なんか言わされた気がしたけど、もう少し自分に正直に、前向きになろうと思ったのは確かだったんだ。




だけど、今朝見た夢の残像だけは、拭いきれぬまま残されていた…頭の片隅に…


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