片想連鎖 ~伝えたい心~
「とりあえず、明奈、あんたもサイテー。気まずくなったからって逃げ出すな。その後、佐々木にメールとか電話とかした?」
「…して…ない。」
絵里は、
『はぁーーっ…』
と大きい溜め息をついて、
『明奈は、どうしたいわけ?』
と聞いてきたんだ。
その答えを自分で導き出せなくて今に至る私は、
『…カイとは友達でいたい。けど、カイの気持ちを考えると…どうしていいか分からない。』
と、正直に答えた。
「明奈のその『お姫様体質』って、何とかなんねーの?」
「はっ?お姫様体…」
「自分は何もしなくても、きっと相手や他の誰かが何とかしてくれる。そう思ってるんだよ、明奈は。」
「そんな事、思ってないよ!!」
「佐々木の事もそうだけど、ナオの事にしたって同じじゃん?いい加減、自分で何とかしろっつーの!」
「絵里には分かんないよ!!」
「あぁ、分かんないね?ウジウジしたお姫様みたいな明奈の気持ちなんかさ?ナオに伝えたい事も、佐々木に伝えたい事も、そうやっていつまでも指くわえて悶々としてりゃーいいんだよ。後で後悔しても泣くんじゃねー!!」
そこまで絵里の話を聞いた私は、バッ!と立ち上がり、机の上にあった自分の携帯を握り締めて、絵里に向かって突き出した。