片想連鎖 ~伝えたい心~


「絵里みたいに!坦々と物事を進められなくたって、私だってカイの事は大切な友達だと思ってるんだから、これくらい出来るよ!!」


と私は言って、携帯のメール画面を開き、カチカチとメールを打ち始めた。

長い文章じゃなかったから、直ぐに打ち終わって、その画面を絵里に向かって突き出して見せた。


「あんた、打ち間違えてるよ。”大切だよ”じゃなくて”大切だゆ”になってる。バーカ!」


慌てて画面を確認してみたら、本当に”だゆ”になってた…。

それを打ち直してから、また絵里に見せた。
絵里は私の携帯を持つ手ごと引っ張って、画面を凝視していたんだ。



――― カチッ!



という音がしたと思ったら、絵里がペロッと舌を出して言った。



「アイヤー?!マチガテ、ソウシンボタン、オシチャタネー!!!」


と、ありきたりな中国人の真似をしながら…。


私は瞬時に顔面蒼白になって、


「キャーーー?!!いやーーー!!」


と、叫んだのは言うまでもない…。




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