片想連鎖 ~伝えたい心~
私は膝を抱えて項垂れていた。
勢いでメールを打ったのは私だったし、それを送信しなければ意味のない事だとは分かっていても…。
送らなかったら、それはそれで絵里から、
『どうせ口だけなんじゃん?』
とか言う言葉が出てくるのは当然だったわけで…。
『はぁ…』
と溜め息をついた私に、
『あたしはさー…?』
と、絵里が話し出した。
「明奈の事大好きだし、大事な親友だと思ってるんだよ。だけど、佐々木の事もそれなりに大事でさ?」
「…うん。」
「佐々木は佐々木で色々考えてると思うんだよね?だけど、ここは明奈が動かなきゃダメだと思うんだよ。」
「…うん。」
「佐々木は、明奈が思ってるより絶対強いから。大丈夫。今頃きっと、明奈からのメール見て『天の救い!!』とかっつって騒いでるよ。」
『あははっ!』
っと絵里が笑ったから、私も少しだけホッとしながら、
『そうだったらいいな…』
と呟いた。
その後、絵里は今度こそ課題に集中しだして、カリカリと書き込む音を響かせながらこなしていた。
絵里が、
『終わったぁーー!!』
と叫んだのと同時に、カイからのメールを受信したんだ。
絵里は私の後ろから画面を覗きこんできて、
『ほらね?』
と、得意気に笑った…。