片想連鎖 ~伝えたい心~
私は葉山さんの申し出に、驚きを隠せなかった。
だって、カイとの事で嫌われてると思っていたから…。
私がそう戸惑いを隠せずにいると、葉山さんは楽しそうに笑いながら話し出したんだ。
「私ね、分かってるとは思うけど、海斗が好きなんだ。」
「う、うん。それは春休みの事で、何とか。」
「でね?私は、”海斗が好きな人”を好きになりたいって思ったんだ…。」
「…えっと…。」
「直ぐに中村さんみたいに仲良くはなれないとは思うんだけど…。私と友達になって欲しいの!」
と、葉山さんは恥ずかしいのか顔を赤らめながら、勢いでそう言った。
友達の少ない私には凄く嬉しい申し出で、直ぐに返事をしたんだ。
「私なんかで良ければ。よろしくね?」