片想連鎖 ~伝えたい心~

自分のしでかした事の重大さに気付いて、
『…ごめんなさい』
と、素直に言葉にした。


「美樹ちゃん、電話も繋がらないし、メールも返信がないって凄く心配していたから…後で連絡してあげなさい。」


そう言われて、まず先にリビングにいたお母さんに、同じように謝った。

無断外泊なんて初めてだったから、余程心配させてしまったのだろう。
お母さんの目の下には、化粧では隠しきれないクマが色濃くあった。


それが、また私の気持ちを締め付けた…


1日ぶりに自分の部屋に入り、昨夜充電切れになっていた携帯に充電コードを差し込み、電源を入れる。

そこには、自宅からは勿論、美樹からも何件もの着信履歴やメールが入っていた。

話すには、電話やメールじゃダメだと思った私は、

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件名 : 心配させてごめん


本文 :

明日、ちゃんと話す。


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と、それだけ打ってメールを送信した。



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