片想連鎖 ~伝えたい心~
変異
---- 7月初旬。
結衣ちゃんと仲良くなっていた私は、美樹、絵里、結衣ちゃんの4人で週末、買い物に行こうと約束をしていた。
昼休みにその話をしている時、上杉君が、
『僕も一緒に行っちゃおー!』
と言い出して…。
上杉君がいなくなった後、絵里が、
『あいつマジで来そう…。時間だけ1時間ズラすか。』
と言って、10時の約束を11時に…したんだけど…。
その待ち合わせ場所には、逆ナンされながら待っていた上杉君がいたんだ…。
「みんな?約束の時間間違えてるよー?」
「あんたが来るから1時間ズラしたんだよ!」
「マジでひでぇー。」
「とりあえず、付いてくんな!」
「それは聞けないお願いですなぁ?」
とか言いながら、本当に上杉君は付いてきたんだ。
何がそんなに楽しいんだろう…?
さっき逆ナンしてきたお姉様達といた方が、きっと楽しいのに…
そう心の中で呟きながら、私は上杉君の事じゃなくてナオの事を考えなきゃいけないのに…と、項垂れた。
ふと顔を上げて、車道を挟んだ向かい側の歩道に目をやった。
私はそこにいた人物に目を奪われて、歩みを止めてしまったんだ…。