片想連鎖 ~伝えたい心~

私が何も言えずに黙っていると、また上杉君が
『だから、諦めな?意味ないっしょ?』
と言ったんだ。


「何でそんな事を上杉君に言われなきゃならないのよ!!」


「んー?だって、横恋慕とか、タルいっしょ?」


「上杉君と一緒にしないで!」


「ふーん。じゃあ、取り返すんだね?」


「っっ!!…それは…。」


上杉君の言葉に、私は言葉を口に詰まらせた。

平山さんは、私とは旧友で、よく一緒になってお菓子作りをしていた子だった。


私がナオと別れてから、ナオの近くにいた事は知っていたけど…
まさか付き合ってただなんて…

そこに、私が過去の別れた理由なんか言ったところで、何の意味もない…
ましてや、横恋慕だなんて…


黙ったまま俯く私に、上杉君が話し出した。


「僕と、付き合っちゃう?」


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