片想連鎖 ~伝えたい心~
「はぁっ?!バカ言わないでよ!!」
「新しい恋した方が楽だよ?」
「だから!!上杉君と一緒にしないで!」
「明奈ちゃん、よろしくね?」
そう言いながら上杉君は笑ったんだ。
その上杉君に、私は、
『付き合うなんて言ってない!』
と言って叫んだ。
---
-
上杉君と言い合った後、上杉君が、
『家まで送るよー。彼氏だし?』
と言って私に付いてきたんだ。
私は家を知られるのが嫌で、全然違う道を歩いていたんだけど…
この炎天下の中、足も痛くなってきて、諦めて仕方なく自宅に帰り着いた。
『へぇー。ここが明奈ちゃんの家かぁー。お茶くらい飲ませてくれる?』
とか上杉君は言ったけど、
『絶っ対イヤ!!』
と言って、一人で家に入り直ぐに鍵をかけた。
まさかこの上杉君とのやり取りが、週明けに嫌ってほど思い知らされる事になるだなんて…。