片想連鎖 ~伝えたい心~

---- 週明け月曜日。

2時限目が終わった休み時間に、絵里が私の席に慌てて走って来た。


「ナオの事で頭イカれちゃったわけ?!」


「…え?何のこと?」


「上杉と付き合うなんて頭おかしいでしょ?!」


「はぁっ?!そんなわけないじゃん!」


「スゲー噂になってんよ?!」


絵里の言葉を聞いて、私の顔は一瞬にして青ざめた。

先週末に上杉君が冗談で言っていたけど、まさか噂になってるだなんて思いもしなかった。

私から遠くに離れた席の上杉君が、こちらを向いて手を振っているのが見えて、私は怒り任せに叫んだんだ。クラスの人にも分かってもらいたくて。


「上杉君!私、付き合うなんて言ってない!」


「またまたぁー。明奈ちゃんは照れ屋さんだから仕方ないなぁー?」


と、あしらわれてしまったんだ…。

付き合ってるのを否定しようとしたのに、逆効果だったみたいで、クラスの女の子の視線が刺さるように感じられた…。


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