片想連鎖 ~伝えたい心~
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上杉君が交際宣言をした時から、私は毎日の様に机に突っ伏していた。
ナオの事だけでも頭がいっぱいだったのに、加えて上杉君の事まで…。
いつも私に茶々を入れる絵里も、私の落ち込み様にどう対処していいのか分からないみたいで、ただ私の側で他愛のない会話をしてくれていた。
美樹も結衣ちゃんも、私と上杉君が付き合ってるっていうのを誤解していなかった事には、本当に救われた気持ちになったんだ。
結衣ちゃんは、
『カイにも言ってあるから大丈夫』
と言って、私の不安を少しでも取り除こうとしてくれていた。
それなのに…。
上杉君は、何かにつけて近くに来たり、突然自宅に訪ねて来たりして、本当に私は心身ともに疲れ果てていたんだ…。
そんな時、私の頭を悩ませている張本人が、突飛もない事を言い出した。
「夏休み。僕と、一緒にプール行こ?」