片想連鎖 ~伝えたい心~

美樹と絵里は同じ様に、驚いた顔をしていた。
どうしたの?という感じで私が首を傾げると、絵里が先に口を開いた。


「相手の気持ちがウザいって意味かと思ったわー。」


その絵里の言葉に、美樹は、
『うん、うん。』
と頷いていたんだ。

私自身は、そんな事全然考えないで言った事だったけど、そう思われたのか…と、軽くショックを受けていたんだ。

そんな私に気付いたのか、美樹が話し出した。


「上杉君の事があったから、そういう意味で言ったのかと思ったんだよ?」


「うん…。でも、なんか上杉君て、私の事好きだとか、そういうんじゃない気がするんだよね。」


「そうなの?」


「うん。…多分。」


上杉君に対する違和感を感じずにはいられなかった。


執拗にちょっかいを出してくるくせに、素っ気ない素振りをしてみたり…。
あれって、俗に言う駆け引き?
押してダメなら引いてみろ的な。
恋愛をゲームみたいに楽しんでるのかな?
あのキス未遂も不可解で、私はモヤモヤするしかなかったんだ…。



< 154 / 316 >

この作品をシェア

pagetop