片想連鎖 ~伝えたい心~

---- 夏休み明け。

始業式も済み、一週間が経った頃…。
私はいつも通り、美樹と絵里の3人で登校した。
いつも通り授業を受けて、いつも通りの昼休み。

2年生になってからの日常と違う事と言えば、上杉君が欠席した事。
昼休みの昼食後に、絵里と結衣ちゃんがいない事…。

上杉君が欠席した理由は知らなかった。新学期が始まってから口も聞かなくなっていて、
『あの二人、別れたっぽいよ?』
と噂も広まっていたから。

私は誤解が解けて願ったり叶ったりだったけど、平手打ちした事を謝れていない事だけが引っ掛かっていた。

絵里は委員会の打ち合わせ。

結衣ちゃんは、カイに呼び出されたとかで、
『直ぐに戻るね。』
と言って教室を出て行ってしまった。

柴田君は教室にいるんだけど、
『絵里、意外とヤキモチやくから…』
と言って、離れた席で他のクラスメイトと話していた。


珍しく、昼休みを一人で過ごす事になった私の元に、鋭い視線を向けてきた人達が来たんだ…


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