片想連鎖 ~伝えたい心~
しばらくの間二人で笑い合った後、カイが、
『明奈の前に立つこと…こんなに遅くなって悪かったな?』
と言ったんだ。
私は首を横に振って、
『…ううん。』
と答えた。
カイは突然大きな声で、
『仕切り直し!』
と言って続けて話し出した。
「俺、明奈の事、ずっと好きだったんだ。」
「…うん。」
「明奈が入部して間もない頃から。色々あって知り合うのが遅くなっだけど、本当に好きだった。お前に好きなやつがいるって知ってからも…。」
「え?」
「たまたま明奈達が話しているのを聞いて知ったんだよ。”ナオ”ってやつの事。」
「…そっか。」
「正直、俺はまだ明奈を諦めきれてないけど、明奈の側にいたいんだ。友達としてでも。」
「カイ…」
カイは、それでいいの?
私といて辛くなったりならない?
私も友達として側にいていい?
私がそう思って眉間にシワを寄せるとカイは、
『また百面相してる。何を考えてるか、手に取るように分かりすぎ!』
と笑ったんだ。