片想連鎖 ~伝えたい心~
「明奈は考え過ぎなんだよ。俺がそれでいいっつってんだから、お前が気にする事じゃないんだ。結衣が言ってた。”明奈を取り巻くユルい空気感が好きだ”って。俺も、同じ。」
「そう言われると…なんか照れちゃうな…。」
「フハッ!軽くバカにされてるのも気付かない所が、明奈の良いところだよな?癒される。」
「えぇっ?!私、今バカにされてたの?!」
「”ユルい空気感”が、な?アハハ!」
「もぅっ!結衣ちゃんもカイも酷い!」
そう言って冗談で剥れてみたけれど、私はこうやって、またカイと楽しく話せる事が出来て本当に嬉しかったんだ…。
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カイは5限をサボって私とずっと話をしていたけれど、休み時間になった時に教室に戻って行った。
私は、昼休みの事があったから教室に戻る気になれなくて、残りの授業も保健室のベッドで過ごしたんだ。
放課後に美樹、絵里、結衣ちゃんが保健室まで迎えに来てくれて、心配してくれていたのか、3人共涙目になっていた。
不謹慎ながらにも、女の先輩に痛め付けられて不安になっていた私は、それを見て喜んだんだ。