片想連鎖 ~伝えたい心~
―――翌日の朝。
教室に足を踏み入れた途端、誰かに腕を掴まれた。
後ろ姿に覚えがなくて腕を振り払ったら、私の腕を引いていた本人が振り返ったんだ。
「えっ?上杉君っ?!!か…髪の毛!!」
私の目の前に立っていたのは、髪の色を深い色の茶髪にした上杉君だった。
上杉君は、
『…んな事いいから、来て。』
と私の腕を引いて歩き出した。
連れてこられたのは屋上…
上杉君は眉間にシワを寄せながら、どこを見るでもなく、ただ前をまっすぐ睨み付けていた。
そんなカワイイ顔をして睨んでも、
なんか、不似合い…
そう思いながらも、私は不機嫌そうな上杉君に話し掛けたんだ。
「頬、叩いちゃってごめんね?」