片想連鎖 ~伝えたい心~
私がそう言うと、上杉君は一度私を見た後、また前をまっすぐ向いて話し出した。
「あれは…。僕がその気もないのにしたのが悪かったし…。」
『僕こそ、ごめん。』
と言い、そのまま続けて話し出したんだ。
「昨日の事も、ごめん。クラスのやつに聞かされた…。僕がこんなチャラけてるから、変な事に巻き込んだ。もう、大丈夫だから。」
「…本当に怖かったんだよ?髪の毛引っ張られたし…。ホントにもう大丈夫なんだよね?先輩に話してくれた?付き合ってない事。」
「うん。言ったし、絞めといたから本当に大丈夫だよ。」
「ーーっっ?!!」
絞めたって言った?!今っ!!
それを聞こうと思ったけれど、やっぱり聞くのが怖くてやめておいた…。
上杉君は、
『勝手に”付き合う”とか言い出して、迷惑をかけた。それも、ごめん。』
と謝ってくれたんだ。
でも、なんで私に絡む必要があったのか気になって、私はそれを口にした。
「なんで、私だったの?理由は?」
「…明奈ちゃんが、佐々木をフッたから。だから気になったんだ。」
「へっ?なんでカイが出てくるの?」
私がそう不思議に思って言うと、上杉君は曖昧に微笑みながら話を続けた。