片想連鎖 ~伝えたい心~
『けどさー…』と言った上杉君は、その続きをなかなか話し出さなくて、沈黙に包まれた。
私はそれでも、黙って上杉君が話し出すのを待っていたんだ。
キーンコーンカーンコーン…
あ。1時限目始まっちゃった…
まぁでも、たまにはいっか…
私がそう思っていると、ずっと黙っていた上杉君が急に起き上がって話し出したんだ。
「明奈ちゃんは、好きな奴の事、…諦めてないっしょ?」
「…諦めて…ないのかな?まだ…好きだし…。」
「それを諦めてないっつーんじゃん?」
上杉君は、ケラケラと楽しそうに笑いながらそう言って、溜め息をついた…。
「僕も、やっぱりあいつが好きだ。」