片想連鎖 ~伝えたい心~

『夏にナオ見た時さぁー?』と、絵里が話し出した。


「一瞬、佐々木かと思ったわー。」


「あー。パっと見とか、雰囲気とかでしょ?」


「うん。そうそう。」


「私も初めてカイ見た時に、そう思った。」


私がそう言うと、結衣ちゃんが反応してジトーと私を見てきたんだ。


こ…これは…ヤキモチですか…?


と心の中で思いながらも、
『カイとナオは、良く見ると全然似てないんだよ。結衣ちゃんも分かるでしょ?』
と聞いたんだ。

すると結衣ちゃんは嬉しそうに
『だよねー?』
と答えた。


その結衣ちゃんの反応が”素直でカワイイな”と私は思ったんだ。


10時を少し過ぎた頃、N大附属高校のメンバーが体育館に入ってきて、絵里は興奮ぎみに、
『ナオは??!ナオはどこ?!』
と言いながら、私の肩を掴んで強く揺さぶった。




私は、探すまでもなくナオを見つけたんだ…。


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