片想連鎖 ~伝えたい心~

中学を卒業してから、一度たりとも明奈の姿を見たことはなかったが、俺はそれが明奈だと直ぐに分かったんだ。

俺は動きを止めて、明奈の方を見続けた。


儚げな雰囲気は変わらない…


中学の頃は、あの綺麗な髪は肩につかない位の長さだったのに、今は背中まで伸びている…。
俯いていて表情はよく見えないが、少し大人びた感じは受けた。

その明奈は、俯いたまま佐々木に何か話すと、出入口から出て走り出してしまったんだ。
その後ろを二人の女の子が、明奈を追うように出て行った。



――― ガタンッ!



俺は弁当を投げ出し、明奈が出て行った方に走り出した。
反射的に、体が勝手に動いたんだ。

俺が走って出入口まで来た時、戸口に腕を伸ばした人物にそれを遮られた。


佐々木という、この男に…





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