片想連鎖 ~伝えたい心~

その言葉は、平山が俺を以前から好きだと言っているようなもので、俺は尚更その申し出に乗るわけにはいかないと思った。

だから、俺は敢えて平山を傷付ける言い方をしたんだ…。


「俺は今でも、多分、これからも明奈が好きなんだ。だから、平山を好きになる事はない。」


平山は俺の言葉を聞いて、顔をひきつらせた。
でも、そうした方がいいんだと俺は思った。

だけど、平山は哀し気な微笑みを浮かべて、
『時間がかかっても私が忘れさせるから、いいの。岩倉君こそ、気にしないで。』
と言った。

その後も、何度も俺は拒否したが平山は頑なに言い出した事を曲げようとはしなかった。

大きな溜め息をついた俺は、納得してないという表情を浮かべて、何も言わずにその場を立ち去ったんだ。



その翌日に、どうにもならなくなってしまうとは思いもせずに…。