片想連鎖 ~伝えたい心~

翌日、俺はいつも通りに登校した。

いつもと何も変わらないと思っていたのは、昼休み迄の間だけだったんだ。

昼休みになり、良くつるんでいる俺の友達が興奮気味に話しかけてきた。


「おい岩倉!お前、平山と付き合ってるとかマジな話?!水くせぇぞ?!」


「…は?誰と誰が?」


「お前と平山だよ!岩倉なに言っちゃってんの?ここで惚ける気か?」


「………。」


おれは正直、うんざりしていた。
あれだけ拒否していたのに、独断で噂を広めた平山に…。
”してやられた…”と心の中で愚痴を溢した。


だけど…


平山を傷付ける言い方をしておいて、更に追い討ちをかけるかの様に、ここで事の成り行きを話し、否定して、平山を傷付ける事は…
俺には出来なかったんだ。

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