片想連鎖 ~伝えたい心~
「二人の気持ちを10にするなら、私は9想って、1想われればいいな。」
報われない恋を願うかのような、
そんな事を言ったのは、私。
【藤原明奈】
目は、とりあえず二重。
ダークブラウンに染めた髪は、背中まで伸びている。
どこにでもいるような、フツーの女の子。
昨日はプールデートだった。
焼けても黒くなる事のない私の肌は、
赤みを帯びていて現在進行形で痛い…。
「えー。やっぱ、気持ちは同じだけ想って、同じだけ想われた方が、幸せじゃない?」
「て事は、美樹は5:5なわけね。なんか、それってベストなんだろうけど、難しくね?」
「そう?なら、絵里はどんな比率がいいの?」
「聞いてくれる?!なんつーか、やっぱ想われる度合いは相手側が大きい方がいいよ!あたしが4で、相手が6くらいだなっ!…ぶっちゃけ、明奈みたいのは勘弁。」
「酷い言われ様じゃん?私。」
「明奈。私も明奈の比率はナシかな。」
「美樹までっ?!…てか、私おかしいのかな?想われるのとか、なんかウザいんだよね…。」
「「充分、おかしいから」」
絵里と美樹にハモられた
ま、仕方ないか…
きっと、私は”おかしい”んだろう…。