片想連鎖 ~伝えたい心~

私達がファミレスに来てから3時間が過ぎていた。


『長居し過ぎじゃない?他のファミレス行こうか?』
と、私は言ったんだけど、絵里は、
『別にいいじゃん?それに面倒だから、あたしはヤダ。』
と言ったんだ。

ファミレスに着いた頃とは打って変わって、客数は減っていたから”まぁ…今日だけはいいか?”と思うようにした…。


絵里の携帯の方にカイからのメールが入り、もうすぐカイが来る事を知らされる。


さっき絵里に、
『動揺すんな?』
って言われたし…

よし!気合い入れるぞっっ!


と意気込んだ時、背後から私の頭をパコ!と叩かれたんだ…。


「よお…。」


「カ、カイ…早っ!お疲れ様…ですっっ!」


私がそう言うと、カイは笑いながら私の向かい側に座った。
カイはまるで何事もなかったかの様な雰囲気になっていて、私はホッとしたんだ。

私の隣は美樹だから、必然的にカイの隣は絵里なわけで…。
一見、犬猿の仲っぽい二人だけれど、きっと見えない堅い友情で結ばれているんだろうな…と私は思った。


< 209 / 316 >

この作品をシェア

pagetop