片想連鎖 ~伝えたい心~

カイが、午後の試合は圧勝だったと話してくれて安心したけれど、
『それじゃあ、私が疫病神みたいじゃん!』
と言ったら、カイは曖昧な表情をしながら笑っていた。

絵里は、佐々木君の脇腹に肘鉄を入れながら、
『つーか。佐々木、あんたも明奈を友達だって言ったなら、明奈を困らせるなっ!キョドった明奈を宥めるの大変なんだかんね?!』
と言ったんだ。

『ああ…わりぃ。』とだけ、カイは言葉を返した。


なんか…どさくさに紛れて
挙動不審な人扱いされたけど…
ま、いっか。


私がそう心で呟いていると、絵里が、
『小腹空いてきた。佐々木も何か食べんの?』
と言いながら店員の呼び出しボタンを押した。

カイが、注文する物を決め終えても店員が来る気配はなくて、絵里が店内をキョロキョロし始めた。

美樹は、
『そう混んでないのに、おかしいね?でも、もう少ししたら、きっと来るよ。』
と、そう言ってイライラしだした絵里を宥めていた。

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