片想連鎖 ~伝えたい心~
吐ける物が無くなって、両親の居なくなったリビングのソファーに横たわる。
美樹は、私の頭を自分の太股の上に乗せ、そっと、私の瞼の上に手のひらを翳し、私の視界を遮った。
「……?」
「ねぇ、明奈?」
「…うん?」
「目、閉じて?」
「うん?…閉じたよ?何で?」
「今から、オマジナイするから。」
「…うん」
そう言って、美樹は私にオマジナイをかけた。
『明奈は、キレイだよ』
『あれは、悪い夢なの』
『だから、私が起こすんだよ?』
『明奈は、私に相談してくれて、くだらない愚痴を溢しながら、バカ騒ぎしたの』
『明奈は、あの頃のまま、綺麗なの』
『大丈夫…』
『大丈夫だよ…』
オマジナイが子守唄かの様に
そのまま
深い…深い…
眠りに導いた…