片想連鎖 ~伝えたい心~
「さっきの…あの子の事…なんだけど…」
と、明奈は話し出そうとしたが、俺は話させまいと、それを遮ったんだ。
「言わなくていい。何も聞かない。あの女の言う事なんか、信じちゃいないから。明奈は何も気にするな。」
俺がそう言うと、明奈は泣きながら、
『ありがとう…』
とだけ言った…。
俺は、
『風呂入って寝ろ。お子ちゃまは。』
と、わざとふざけて言ってみせた。
明奈は、
『何それ…酷っ…』
と言い…
少しだけ…
ほんの、少しだけ笑ったんだ…
「じゃ、俺、帰る。またな?」
「…うん。」
明奈の返事を聞いた俺は、明奈に背を向けて歩き出した…