片想連鎖 ~伝えたい心~
言いたい事はいくらでもあった。
けど、それを言ったところで変更不可能で…
特に、絵里が決めたと言うなら、絵里は絶対変更なんかしない。
それから…泊まる理由の本題は…
「私が、不器用だから…ですか。」
「そゆこと。」
「そうよ?」
また…ハモられた…
両極端な二人だけど、息はぴったり
そんな二人に向けて、私は微笑みを浮かべた。
「お裁縫伝授、それから…添い寝?宜しくお願いします。」
私がそう言うと、二人は声を合わせて…
『任せて!』
と言って、私と同じ様に笑った。
その夜、私の部屋に布団を3組敷き、私を真ん中にして3人で布団に入り込む。
私の両手は、美樹と絵里が片方ずつ繋いでくれていて、私は二人の温もりに包まれ、あの夜の夢を見る事無く、深い眠りに入っていった…。