片想連鎖 ~伝えたい心~


「上杉君……。あれ?後ろにいるのは…?」


「明奈ちゃんは、本当に名前覚えるのダメだよねー?同じクラスの…。」


「高田亜衣です。」


自己紹介?の流れで、
『私は…』
と言おうとしたら、
『知ってるよ。』
と、二人に言われてしまった…。


その後、私は二人をリビングに招き入れて、温かい紅茶を入れた。


「二人してどうしたの?まだ授業中じゃない?」


「あー。明奈ちゃんが気になって抜けて来た。報告したい事もあったし。」


「抜けてって……。高田さんは平気なの?」


私がそう言うと、高田さんはニッコリと笑って
『今日は特別なの。』
とだけ言った。


「それで、報告って何?」


「僕達、付き合う事にした。その報告。」


「上杉君が片想いしてたのって、高田さんだったんだ?!おめでとう!」


上杉君は、私が言った言葉に慌てていて、高田さんは顔を真っ赤にしていたんだ。


言わない方が良かったのかな…


でも、二人が幸せそうに笑い合っていたから、いいか、と私は思った。

私も二人に釣られてニコニコしていると、
『私は付き添いで来ただけだから、口は挟むつもりはないの。だから、翔の話を聞いてあげて?』
と、高田さんが言った。


それを合図に、今度は上杉君が話し出したんだ。


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