片想連鎖 ~伝えたい心~
「明奈ちゃんは、文化祭の事何か聞いてる?絵里が勝手に、明奈ちゃんをオバケ役に決めてたけど…。」
「う…うん。昨日、聞いた。絵里が決めたなら、変更なんか出来ないって分かるでしょ?」
「そりゃそうだけど…。てかさ?絵里が明奈ちゃんを推す時に”今の明奈に適役!”とか言っててさぁ?オバケ役に適役って…。例の彼と何かあったのかなぁ?って。」
何かなんて、何もないよ…
ていうか、絵里ひどい…
まぁ、絵里らしいけど。
「何もないよ?今、私が体調崩してるから言ったんじゃないかな?絵里は。」
上杉君は納得がいかない様で…
『んー…』
と唸っていたけど、直ぐに続けて話し出したんだ。
「明奈ちゃんは、諦めてないよね?」
「……多分。」
「諦めちゃダメだよ?」
確かに、上杉君は、そう言ったんだ…。