片想連鎖 ~伝えたい心~


「上杉君、前は”諦めれば?”とか”意味ない”とか言ってたくせにっ!何で突然、逆の事を言うかな?」


私がそう言うと、口は挟まないと言っていた高田さんが、上杉君を睨み上げた。

それにタジタジになりながらも、上杉君は話を続けたんだ。


「だからぁー!それは明奈ちゃんを揺さぶって苛めたかっただけだよ。だけどさ?あの街中で見た例の彼さぁ…?」


あの時の情景が思い出されて、私は少しだけ顔をしかめた。

だけど、上杉君は話を進めていく。


「あの彼、明奈ちゃんが走り出した後、一緒にいた女の腕を振り払ってた。付き合ってたら、んな事しないよね?」


「えっ?」


「僕も女関係色々あったから、何となく分かるんだよね?何か理由があるんじゃない?」


「そう…かなぁ?そう…だといいな…。」


私はそう呟きながら、ナオの事を想った…。


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