片想連鎖 ~伝えたい心~
上杉君が、話したいって言っていた事が済むと
『これからデートだから!じゃっ!』
と言って、早々と帰って行ったんだ。
相変わらずの慌ただしさだなぁ…
上杉君と付き合うのは、高田さんみたいな穏やかな人が合うんだろうな…と、私は思った。
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夕方の6時になる頃、絵里が一人で来てくれた。
今日は、絵里が居てくれるんだな…と、心強かった…。
その日から、本当に絵里と美樹が交代で泊まりに来てくれて、私は悪夢を見なくなってきていたんだ。
まるで、美樹や絵里が繋いでくれる手から、私の不安を吸いとってくれるかの様に…。
--- 10月末
絵里と美樹のスパルタ裁縫教室のおかげで、何とか私の衣装を作り終えた。
最初、オバケ役なんだから白い布で巻くだけでいいんじゃないの?と思っていたのに…。
だけど、衣装は自費で作る事になったらしく、どうせなら普段も着れる様にと、美樹達が布を選んで来てくれて…。
それはもう、オバケ役の衣装にはどうなの?と言うくらい、可愛く出来上がったんだ。
私の好きな薄桃色の生地に、小花柄がプリントされている…。
ナオとデートした時に着たワンピースに、少し似ているな…と思い、私は頬を緩めたんだ…。