片想連鎖 ~伝えたい心~
投薬
---- 11月上旬。文化祭。
自分の着る衣装が出来て一安心…と思っている間に、文化祭当日を迎えた。
私達の学校は、2日間の文化祭の初日、外部の人を入れずに行うことになっている。
2日目の予行練習みたいなものなのかな?とは思ったけれど、結局の真意は分からないまま。
私は自分の衣装を着て、クラス内を黒段幕で迷路にした中に入って行き、定位置に着いた。
ていうか…
やっぱり衣装の意味ない…
というのも、段ボールで作った井戸の中に入り、お客さんが来たらその縁に手をニュッて出すだけだったから…。
制服でも良かったんじゃないかな?とも、思ったくらいだ。
何だったんだろう?
もしかして気分転換とか、
元気付けようとしてくれたのかな?
と、私は思っていたんだ…。
まさか、美樹や絵里が、それ以上の事をしてくれようとしていただなんて、私は気付きもしなかった…。