片想連鎖 ~伝えたい心~
この文化祭でも、初日だけはお昼の時間がいつも通り決められていて、昼休みが終わるチャイムが鳴れば、文化祭午後の部が始まる。
午後の部が始まって一時間が経つ頃、美樹が、
『休憩、私と一緒だよ?行こっか。』
と、そう言って、美樹は私の前を歩き出した。
いつもなら隣を歩く美樹なのに、
どうしたんだろう?
そう思いながらも美樹の後ろを着いて行ったんだ…
。
美樹は、どこのクラスの催し物にも見向きもせずに、どんどん階段を上がって行った。
流石に気になった私は、美樹に話しかける。
「美樹?どこ行くの?文化祭、見て廻るんじゃないの?」
「…明奈。少しだけ屋上で話をしよっか?」
そう言った後、美樹は、
『その後で、他のクラスのお店とか、廻ろうね?』
と、そう付け加えて言ったんだ。
私は断る理由もなかったし、美樹が話したいって言う位だから、大事な話なんだろうと思った。
「うん。分かった。」
それだけ言って、二人で屋上に向かった…。