片想連鎖 ~伝えたい心~


「あー…。でも、次のテストでは1位を狙いたいな。」


「あんた、あたしに対する嫌味かいっ?!って、まぁ、それは置いといて。1位って誰だったん?」


「えーと…、確か『佐々木 海斗』って人だったよ?」


「えっ?佐々木って頭良かったのか!!ただの爽やか君だと思ってたわ!!」


『爽やか君』て…
佐々木君、ドンマイ


「佐々木海斗君て、前に絵里が『カッコいい』とか言ってた『佐々木君』?」


「あー!そうそう!うちの学年で『佐々木』って一人しかいないし。てか!あたしってば、うちの学年だけなら男子と女子の名前、全員覚えたから!」


えっへん!と言わんばかりに腰に手をあてて、絵里がふんぞり返っていた。


絵里、とりあえず確かに凄い特技だよっ。
うちの学年、8クラスあるのに…
でもさぁー…


「そういう記憶力を、テストに生かせたらいいのにね?」


と、にっこり微笑みながら、美樹が絵里に言った。


…流石親友。考える事一緒っ。


私も一緒になって、ニコニコしながら絵里を見たら、絵里は口をパクパクさせながら、ひきつった笑みを浮かべていた。


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