片想連鎖 ~伝えたい心~
----- 中学二年< 夏 >
テスト週間に入り、私と美樹は放課後に図書室でテスト勉強をしていた。
試験期間に入ると、職員室のある棟は下校と同時に生徒の出入りは出来なくなる。
でも、渡り廊下を挟んだこの図書室は孤立化されていて、テスト週間に入っても出入りは自由だった。
この頃、私とナオは付き合っていて、ナオや川口君達も図書室に来ていた。
だけど私達は冷やかされない様に、お互いの友達と、別々の列の机でテスト勉強をしていたんだ。
夕方5時近くになり、図書委員の生徒から帰りを促され始めると、私はナオの方に目を向けた。
ナオがニコッと微笑むのは…
”校門で待ってる”の合図。
私は穏やかな気持ちのまま、美樹と二人で図書室を後にした。